原点

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これまでのボクの人生は、父親の生き方を否定することで進んできた。ああいう風にならないようにと頑張ってきた。反面教師だった。

通夜の夜、叔父さんから意外なことを耳にした。
「そういえば兄ちゃんも写真好きだったなぁ。大学の時は写真部だったし」

何かショックだった。そのときだけ涙が溢れてきて、こぼれ落ちそうになるのをぐっとこらえた。

葬儀の前に、ボク達が住んでいたマンションの屋上に上がってみた。
ここに上がると、阪和線と関西線と近鉄線も見えた。電車好きの小学生は、家の引き出しに無造作に置いてあったコニカのカメラを持ち出して、屋上で写真を撮るようになった。新宮行きのディーゼル特急「くろしお」が最初の被写体だった。
それがボクのカメラマンとしての原点だ。
20年ぶりに屋上に立ってみても、マンションの陰になって何も見えなくなっていた。
遠くに通天閣だけは昔のまんまで立っていた。
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