C62 ニセコ号

2016年11月17日 - 鉄道のある風景

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(c)Tatsuo Iizuka



「C62 ニセコ号」。
20数年前に撮影した時のポジフィルムより。
場所は函館本線(通称山線)蘭島ー塩谷間の有名撮影ポイント。

その日は雨が降って寒かった。
遅延もあって、凍えそうになってると向こうからもくもくと上がる煙が迫ってきた。
あまりの煙にSLの故障?爆発!? かと思ってびっくりした。
先頭の黒い塊が見えると、カメラの放列から響くモータードライブの連写音。
しかしそれらは全てC62が放つエネルギーに一瞬で飲み込まれる。
客車が見えないほどの爆煙。
遅れを取り戻すべく登り勾配を全力で駆けてくる様は圧巻だった。
通り過ぎた後に残る石炭の匂い。
痺れた。
とてもイベント列車とは思えないC62の本気走行。
それが「C62 ニセコ号」の最大の魅力だった。

日本で最もパワーとスピードがある蒸気機関車がC62だ。
昭和20年代には東海道線の「つばめ」などスピード命の特急列車を牽引していた。
昭和30年代になって本州の主要路線の電化が進むと、北海道に最後の活路を見いだされる。
現役の晩年にはこの函館本線を急行「ニセコ」で、急勾配の続く峠をその圧倒的なパワーを持って乗り越えてきた。C62の最後の花道が函館本線だったのだ。
(現役時代のことはもちろん知らない)
しかしそれも昭和46年に、ディーゼル機関車に置き換えられ引退となる。

そして昭和63年、引退後17年の時を経てイベント列車(臨時快速)の位置づけとして復活された「C62 ニセコ号」。
この列車のすごいところは、現役当時の姿を再現させるべく
車両に無粋な広告や飾り付けが一切なかったこと。
復活運行にあたっての費用の大半は、大スポンサー(ハドソンや上島珈琲など)によって賄われたのにも関わらずだ。
その頃、いかに日本の企業に力があり、そしてJR北海道に夢や情熱があったのかという証しだ。

自分は社会人時代を過ごした静岡から、2度撮影に来道した。
本気で走るC62の姿に圧倒され、感動をもらった。
遠くからこだまするドラフト音。それが近づいてくると胸の鼓動が激しくなる。
カーブから現れる黒い塊。凄い蒸気と音。動輪の動き。凄まじいスピード。匂い。
大井川鉄道のC11やC56、磐越西線のD51などSLに慣れていたとしても、その比ではない。

残念ながらSLの大がかりな検査費用を捻出することが出来ず、平成7年に運行休止となった。
自分が北海道に越してきたのはその翌年。
もう少し早くに移住していたら、もっとたくさん走る姿を見ることができたのに・・・と悔やまれる。



平成5年頃の撮影。
カメラはCANON EOS5(5DではなくフィルムカメラのEOS5 視線入力が売りだった)にレンズがシグマの70-200mmf2.8。これも解像度が低かったなあ。
純正レンズを揃えられたのはもうちょっと後になってからのこと。



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