

(c)Tatsuo Iizuka
木造校舎、廃校に惹かれて道内あちこちを見て廻ってきた。
過疎化と少子化で集落の中心的存在だった小学校がどんどん無くなっている。
小さな集落で無人の校舎がひっそりと佇んでいる光景は
今や北海道ではよく見る、普通の景色だ。
鉱山跡など無人となり、集落の跡がすっかりなくなっている所もある。
昨日訪れた所は山の中。崩れた赤い屋根が、峠道の木々の合間からわずかに見えた。
それをたよりに藪を漕ぎながら近づいていった。
あたりには人家が一軒もない。小学校が建つほどの集落が本当にここにあったのだろうか。
職員住宅跡らしき廃屋が2つ、風にあおられて壁のトタンが音を立てて、びくっとさせられた。
(ググってみると)どうやら戦後開拓で、本州から20世帯ほどがこの地に入植、熊笹だらけの土地を開墾。
陳情の成果によって、昭和25年に小学校を開設。
しかし、雪深い山のなかでの生活、夜間はクマを恐れて外出もままならなかったという。
離農が相次ぎ、人々は山を下り、昭和45年にこの小学校も閉校となった。
20年間の卒業生は85名だったという。
以来46年。壁も屋根も朽ち果てるなか、かろうじて残る黒板が、この地に子供達の賑わいがあったことを
伝え残している。
北海道/士別市
SONY α7s FE28mmf2
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