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「ある精肉店のはなし」の上映会を終えて

2014年03月29日 - お知らせ

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(c)Tatsuo Iizuka

初の試みだった「ある精肉店のはなし」の上映会を終えた。
2日間、計4回上映で60人ほどの、高い意識と関心を持った方達にこの映画を見てもらうことができた。
準備もトラブルが起きて大変だったけど、見終わった後の皆さんの表情を見ると、やった甲斐があったとつくづく思った。
心底、得難い経験ができたと思う。

しかし、一人でできることには自分が思っている以上に限りがあって、予約が入らなくてヤキモキする日々が続いた。
知人にメールやメッセージを入れて誘っても返信も来ないような有様。
自分の能力はさておき、
娯楽映画ではなく、ドキュメンタリー映画、ひいては社会への関心の薄さに腹立ちを覚えたほどだ。
そして、何と言っても人から無視されてるようでこれは結構つらい。

そんななか、フリーペーパーの「旭川ライナー」に無料で記事にしてもらえたことを契機に
続々と申込みが相次ぎ、嬉しい悲鳴を上げることとなった。
旭川に、この映画のことを知っていて上映を待ち望んでいる人がこんなにもいたなんて。
しかし喜びもつかの間、果たしてウチのスタジオに何人入るのかが心配になっていった。
椅子も借りて揃えなきゃならないし、でも詰め込みすぎてスクリーンが見づらいなんてことになっては大変だ。
お金をもらって見せる以上、見にくいというクレームは避けないといけない。

スタジオの営業もあり、会場セッティングは前日の夕方からやることになった。
急ピッチで準備を進める中、高い位置にある窓ガラスを塞ぐのに使った大きな脚立を倒してしまい、自分の車のリアガラスを直撃。自走不能なくらいに粉々に破壊させてしまった。
保険会社との折衝や、レッカー移動、修理工場との連絡などは、会場の椅子並べで息を切らしながら行った。
夜になって全てが整いようやくできた試写の途中、ブルーレイディスクプレイヤーが壊れるというハプニングに見舞われた。

当日の朝、家電屋に買いに行くも、音声出力がない機種だったため、もう一回別のを買いに走り・・・
結局映像が映し出せたのは、上映の40分前になった。
その5分後に1人目のお客さんが来場というぎりぎりセーフのタイミングで、上映会本番を迎えることになったのだった。
一日に2度もブルーレイディスクプレイヤーを買うというのも得難い経験だ。
いったい、上映会の準備途中にいくら余計なお金を費やすことになったのだろう。
怖くて計算しないようにしている。

気落ちしているヒマもなく始まった上映会。
初回から反応は上々だった。

最終回はびっちりの満席。
みなさんの真剣なまなざし。ときおりこぼれる笑い声。
涙をぬぐう人も。

ブルーレイディスクプレイヤーが壊れやしないか、プロジェクターのランプが切れやしないか
最後の回の半分を過ぎた頃から、心臓がドキドキした。
祈った、念じた。
そして無事に全ての回の上映終了。
皆の間に自然と生まれた拍手喝采。
ボクに向けられたものではないけど、厚かましくも自分へのものだと思うことにした。

ありがとう。ありがとう。
関心を同じくする人たちとの出会いを運んでくれたこの映画。
こんなステキな映画に出会えて本当によかったと思う。


みなさんの住む近くで上映会があったなら、足を運んで決して損はないだろうと思う。
社会の構造の一端を知る上でも、非常に有益なこのドキュメンタリー映画だ。
おせっかいだが、少なくとも家の外に出て写真を撮ってる、やってる人は見るべきだと思う。
スケジュールはホームページをチェックすれば分かるようになっている。
http://www.seinikuten-eiga.com/

この映画はミニシアター系のほか、自主上映会という形で全国を回っている。
ボクも札幌で見て、居ても立ってもいられなくなり開催を申し込んだ。
だれかにお願いされたわけでなく、映画制作者に知り合いがいることもない。
志のある方に、ぜひ次につないで欲しいと願う。
ハードルはそれほど高くない。
でも普通は何人かでチームを作ってやるのが妥当だろう。
ボクのように手柄を独り占めしたいのでなければ。

赤字は覚悟で臨んだものの
とても良くできたパンフレットや写真絵本の販売も良く
結果的にはわずか何千円かの持ち出しで済んだ。
車の修理費と2台分のブルーレイディスクプレイヤーの代金は抜きにしての話だが。

若干の苦労はあっても、主催者が得られるものはその数倍だ。
それほどこの映画はよく出来ている。
ブルーレイプレイヤーのスタートボタンを押してしまえば何も心配はない。

感動の押しつけがないところが何よりだし、
それでも自分は強く生きようと思えた。
決してスマートでなくてもいい。むしろ泥臭くて人間らしく生きたいと思った。


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寄せられた感想の数々。
自分の心の奥底に落とし込むのに時間がかかるテーマだから、見た直後では書ききれないのだろう。
個別にメールがいくつも届いてきている。

これは娯楽映画ではない。
簡単に感動も得られない。
簡単にお涙を頂戴しない。
真っ向から対象と向き合い、淡々とその姿を追ったからこそ出来上がったドキュメンタリー映画。

「ある精肉店のはなし」
監督:纐纈あや
プロデューサー:本橋成一
製作:やしほ映画社、ポレポレタイムス社

実直に作り上げられた作品に対し、敬意を表したいと思った。




先日、チープ広石さんの葬儀があったのは、中野だった。
それで東中野駅前にあるこの映画会社「ポレポレタイムス社」を訪ねていった。
大きな座卓に何人かの人たちがあぐらを組んで座ってお茶を飲んでいて、話の輪の中心に本橋成一さんがいらした。
黒いスーツで立ち寄ったボクを見て「北海道から来て、中野でお通夜だなんて、亡くなられた方もずいぶん気が利くね」と笑顔で声を掛けられた。
監督の纐纈(はなぶさ)あやさんにもお目にかかれた。
他のスタッフもみなさんいい顔をされているのが印象的だった。
この人達だからこそ撮れた映像、つくれた映画だなと確信したのだった。


北海道道内では、このあとGWあたりで、札幌・蠍座がアンコール上映をやります。
東川でもある方が、6月にやってくれそうな様相。
興味を持たれた方は、自らの足を運んだらいいと思う。







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飯塚達央
写真の町、北海道東川町在住の写真屋、飯塚達央。1968年大阪出身の50才、脱サラし北海道移住23年目になります。
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