






全て(c)Tatsuo Iizuka
東京からJRとレンタカーを乗り継ぎ福島に行ってきた。
福島というよりフクシマと書いた方が通りがいいだろうか。
太平洋側の町、
第一原発から10kmほどの距離まで行くことができた。
そこは言葉は悪いがゴーストタウン。
これまでも北海道の旧産炭地でゴーストタウンを歩いたことはあるが
それらは数十年をかけて風化していったもの。
この町は瞬時に失われた生活空間。
その差は大きい。
古びた納屋ばかりか、建てたばかりの立派な住宅までも置き去りにされている。
これはまるでSF映画で見た光景だと思った。
映画では近未来の町が、ウイルスによってゴーストタウンになり
人類は地下での生活するという話だったが、
この町は放射能によって住民がここを離れなくてはいけなくなった。
どちらも目に見えないだけに、恐ろしさが伝わりにくい。
これは現実に起きていること。
日本の福島のある町の現在の姿なのだ。
町の中はとても静かで、自分の出す音以外は
時折、遠くを走る車の音だけが聞こえていた。
普通ならとうてい聞き分けることのできないブレーキの音までも。
2014/3/18,19 富岡町にて
Leica M8 G Biogon28mm
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