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水谷商店 愛別町

2006年01月28日 - 忘れがたき駅前ふるさと

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Rolleiflex 3.5F Planar75mm Fuji Across microfine1:1

          水谷商店 ( 愛別町 )

石北本線安足間(あんたろま)駅前にわずかに残っている商店がある。
駅のホームを下りると、閉じた製材所が否応なしに目に入り、かつてこのまちが林業で栄えていたことが分かる。
駅前の細い通りを右に曲がるとそのお店はあった。
木枠で出来たガラス戸越しに、使い込まれた木製の陳列台が見える。昔使った「ジャポニカ学習帳」が並んでいて思わずうれしくなってしまう。鉛筆、墨汁といった懐かしい文房具の他、食料品から衣料品、簡単な薬まで所狭しと陳列されていて見ているだけで楽しい。
あんたろまのお店のおばちゃん、水谷多美子さんは昭和11年にこのお店が出来たんだと教えてくれた。
「昔は製材で賑わっていたが、今はこの集落も年寄りばかりで子供が一人もいないんだ。」
この文房具や、紙おむつは誰に買ってもらうつもりなのだろう。
 手の込んだ仕掛けのミシン糸入れの上には、お茶っ葉の入った戸棚がのっかっている。銀色に輝くブリキがこのお店の象徴のようだ。何年もの間、お客さんを迎え入れてきた。 腰をかけるのに丁度良い高さの上がり口は、買い物がてらおしゃべりにやって来るお年寄りの憩いの間なのだろう。みんな長話をしていくよとのことだった。
「お嫁に来たときは店の前には馬車が走ってたんだよ。」
その後、国道が駅の裏側を通るようになり、林業も衰退し、駅前から往来が減っていった。
「便利になって誰も来なくなったよ」
今、旭川紋別自動車道の建設が進んでいる。完成のあかつきには交通の要所、上川の街を通る車も減るだろう。

          JR北海道の車内誌「忘れがたき駅前ふるさと」05年4月号より

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飯塚達央
写真の町、北海道東川町在住の写真屋、飯塚達央。1968年大阪出身の50才、脱サラし北海道移住23年目になります。
北海道・東川町で写真スタジオ「フォトシーズン」をやってる写真屋です。日々、ブライダルやファミリーフォトを撮っています。
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