未だに現役やで 大阪その1
2018年01月31日 - 鉄道のある風景



(c)Tatsuo Iizuka
大阪では首都圏では考えられないような古い車歴の電車が、下町を走っていたりします。
庶民的というのか、飾り気のないというのか、大阪らしくていいなあと思います。
でもいずれも本線からは外れ、支線で残された余生を過ごしているという感じですかね。
いつまでも元気で活躍して欲しいものです。
今回帰省中に、気になってた電車をいくつか乗って、撮って来ました。
まずは阪神電車の武庫川線。
クリームと赤色の塗り分け(赤胴車って呼ぶらしい)がまさに阪神電車ですね。
最近ではイメージ一新してコーポレートカラーを捨てる私鉄会社が多くて残念です。
阪急だけはこだわりのマルーンを死守してますが、他はもうどこの電車か色で判断するのは困難です。
さて、この赤胴車、かつては本線の優等列車(特急・急行)で使われてました。
阪神電車に乗るときは甲子園球場に行くとき。ですね。縦縞着て。
今は武庫川線というわずか1.7km、4つの駅を入ったり来たりの普通電車です。
この車両は昭和43年製と、私と同い年の50歳。
角の取れた姿形に親しみを覚えます。
片開きのドアの大きいこと。レトロ感を醸し出してますね。


(c)Tatsuo Iizuka
青い電車は、JR阪和線の支線である羽衣線の103系。
昨年、(ファンからは)惜しまれつつ大阪環状線、阪和線から引退しましたが、ここ羽衣線ではわずか1駅区間を毎日走ってます。
その昔は山手線ではグリーン。中央線ではオレンジ。総武線ではイエローなど都会を走る電車そのものでしたが
首都圏ではとっくに引退していますね。
関西でも、おおさか東線と奈良線、和田岬線と、この羽衣線のみのよう。
今回おおさか東線のグリーンの103系を見に行ってきたのですが、1時間待っても来るのは201系ばかり。
身体は冷えるし、ホームに居続けるのも不審すぎるので断念してきました。
朝夕のラッシュ時のみの運用でしょうか。
その点、羽衣線は単線のため、基本1編成が行ったり来たりなので今なら確実に会えます。
確実に会えるアイドル。といえば大げさですね。
毎日通学に使ってる高校生たちには理解不能なおじさん趣味の世界です。
そういえば、高校時代に部活の試合のため、何度か羽衣線に乗って彼らの高校に出向いたことを思いだしました。
大阪府下に4校しかないマイナー競技の貴重な対戦相手でした。
兵庫県/西宮市 大阪府/高石市
FUJI X-T20 XF18-55mm f2.8-4 R XC55-230mm f4.5-6.7






(c)Tatsuo Iizuka
一週間ほど旅してきました。
大阪への帰省、北近畿、そして金沢・富山と北陸まで足を伸ばして、
日本の冬を堪能してきた次第です。
丁度、寒波が押し寄せ、大変な思いもしましたが、北海道の冬とはまるで違う日本の冬っていう感じでしたね。
昨年末に大阪に暮らす母親から「いつでもいいから、そのうちに餘部鉄橋(兵庫県北部)に連れてってほしい」
というメールが届いたのが、今回の旅のきっかけです。
親孝行も兼ねられるなら丁度良いやと勢いに任せ、旅程を組みました。
大阪からは足の悪い母と、姉を乗せてレンタカーで。
昨年餘部鉄橋にエレベーターがついて、誰でも気軽に橋上に上がれるようになり
母親は感銘を受けてました。なによりなにより。
高さ40mほどもある餘部鉄橋は、30年くらい前になるでしょうか。
強風にあおられた列車が転落したという鉄道史上に残る大惨事を起こした暗い過去を持つ鉄道橋です。
それをきっかけに耐風構造の施された新しい橋に架け替えられました。
以前の美しい橋梁の姿(東京タワーのような橋脚を持つ)は、もう見られなくなったのは残念ですが、安全運行には替えられません。
この時も強い風が海から吹き付けていました。
折からの寒波ですでに大雪警報が出ていましたが、小さな漁村の民宿で
かに三昧、海の幸でお腹いっぱいになった頃には雪が降り出していたようです。
早朝に目覚めると景色は真っ白に一変していました。
民宿を発ち、海沿い山沿いのくねくね道を行く頃には猛吹雪に変わり
FFのレンタカーではスタッドレスタイヤを履いてても、一度停まると発進できないくらいの道路状況に。
国道に出るには、まさかの急登坂の峠越えが待ち構えていて
アクセルを強めに踏むとグリップを失い、緩めると停まってしまいそう。
停まってしまえば発進は不可能な急坂だから、何キロもバックする羽目になるのは明らかで
慎重なアクセルワーク。
ホントに肝を冷やしました。
北海道に暮らして雪道には慣れてるつもりでしたが、本州のベタ雪、アイスバーン、
北海道ではあり得ないようなつづら折りの道の連続。
FF車がこんなにも雪に対して脆弱だとは思いませんでした。
同時にいつも4WD車で自分がいかにラフな運転をしてきたのか
思い知らされたような気がしましたよ。
兵庫/竹野町
FUJI X-T20 XF18-55mm f2.8-4 R XC55-230mm f4.5-6.7
淡い光と空気のなかを往く
2018年01月19日 - 鉄道のある風景

(c)Tatsuo Iizuka
秋に行った撮影地。留萌本線の恵比島峠のオメガカーブ。
http://photoseason.blog25.fc2.com/blog-entry-2965.html
きっと雪が降り積もったらすごく良い場所だなあと想像してました。
そして雪の具合と、天気予報を見ていざ出陣。
まあそんな大げさではないのですが、秋に通れた林道は今は深い雪の下。
スノーシューを履いてえっちらおっちらと歩いていくしかありません。
あいにくの湿り気で重たい雪。パウダースノーと違い深く沈むことはないけれど
スノーシューにまとわりつく雪のせいで、一歩一歩の足取りの重いこと。
息も絶え絶え、めげそうになります。
ぜいぜいと雪山を這いつくばるように登って、汗だくに。
そのあとお約束のように冷えて、寒〜つ。
それでも眺めは良好。誰も居ない雪山で過ごす列車待ちの時間は贅沢なものでした。

(c)Tatsuo Iizuka
オメガカーブの向こうに再び現れたキハ54。
背景と同化しちゃってますね。
北海道/沼田町(留萌本線)
FUJI X-T20 XC50-230mm F4.5-6.7 OIS
歩いて撮るときには軽くて助かります。
もう一本のレンズXF18-55mm f2.8-4Rも含めて、Mサイズのウエストバックに入りますから。

(c)Tatsuo Iizuka
今日も日中はプラスの気温に。
だけどそれが日が傾くと一気にマイナス6~7℃くらいまで急降下。
そうすると湿り気を帯びた雪原の水分が霧に変わっていくのですね。
よく見ると太陽の廻りに輪っかができました。
日暈(ひがさ)という現象です。
サングラスをしてると見えやすいのですが、日中太陽を見上げる人は案外少ないこともあって
日暈に気づく人はあまりいないと思います。
「スマホ画面じゃなく、たまには空を見上げてみましょう」
写真では露出アンダー目に撮れば、このように肉眼で見るよりハッキリと写すことができます。
列車待ちの最中に発生したものを撮ったのですが、ローカル線ゆえ次の列車が来るのは一時間後。
列車と絡めて撮ることは叶いませんでした。残念。
北海道/秩父別町
FUJI X-T20 XF18-55mm f2.8-4R

(c)Tatsuo Iizuka
気温が上がり(プラス1.5℃くらい)重く湿った雪が降りました。
こんな日は雪かきは重くて大変。そして道路はぐちゃぐちゃで走りづらい。
でも木々にはしっかりと雪が降り積もり良い感じの光景でした。
ラッセルを引き気味に風景的に撮りたいと思って、このポイントに立ちました。
先に通過する普通列車が現れず30分ほど立ち尽くし、やきもきしてたところ
反対側からラッセルが現れました。
白〜薄い青の世界の中で、赤いラッセルは良いアクセントになってくれました。
北海道/比布町(宗谷本線)
FUJI X-T20 XC50-230mm F4.5-6.7 OIS
来週から旅に出るのに合わせ、軽〜い機材を購入しました。
今日はそのテスト撮影を兼ねて。
このレンズは初心者向けのチープなもので、しかもラインアップ落ちの初期型で
新品を2万円ほどで買いました。
この写りにしてこの軽さは魅力です。



(c)Tatsuo Iizuka
この日の朝はマイナス19℃。この冬一番の冷え込みと聞いて、出かけてきました撮り鉄に。
この発想からしてなんだかおかしいと自分で思うのですが・・・。
昨シーズンから思い描いている光景が密かにあって、それを「空想」と呼ぶんでしょうが
この朝こそ現実に写真に納めてやろうと意気込んで、日が空けぬ内から出撃したのです。
ところがポイントに到着して列車も寸分の狂い無く現れたものの
肝心要の「思い描いた光景」には現実にはなりませんでした。
思い切り空振りしてきたのです。
「空想」はまあ勝手な思い込みに過ぎぬことが実証されてしまいました。
「画に描いた餅」とも言いますね。
それでも「画に描いた餅」を描けないようでは写真家ではありません。
ただの「シャッター押す人」に甘んじたくはないのです。
そんなことを思いながら、「画に描いた餅」以外の写真を3枚貼り付けました。
早朝、朝、夕暮れの3カットです。
写真はやはり現実のものしか写りません。
でも現実をどう捉えるかはカメラを持つ人、人それぞれ。
厳冬の北海道を走る列車たち。
生きてる感じを捉えてお伝えしたいと思ってます。
北海道/当麻町・旭川市(石北本線)
Nikon D750
TAMRON SP70-200mmf2.8 G2

(c)Tatsuo Iizuka
運休明けのラッセルは、豪快な掻きっぷりでした。
前日、1時間粘って見られなくてがっかりした分を帳消しにしてくれる一撃を見せてくれました。
追いかけて途中駅ですれ違い待ちのラッセル。
つららが見事に成長してますね。
約40分の停車時間。駅のトイレにいかれたり、車内でくつろぐ乗務員の方たちでした。
大雪の今日はラッセル作業に気合いが入ってたことでしょう。
ご苦労さまです。

(c)Tatsuo Iizuka
やってきたのはスラントノーズの特急大雪。
スラントとラッセルの交換シーンは初めて見ましたけど、この冬で見納めになります。
貴重な記録写真になっていくことでしょう。

(c)Tatsuo Iizuka
北海道/当麻町・愛別町(石北本線)
Nikon D750
TAMRON SP70-200mmf2.8 G2 ×1.4テレコン
TAMRON SP24-70mm f2.8 G2

(c)Tatsuo Iizuka
昨日はこの富良野線も含め、石北、宗谷本線も運休でした。
線路が完全に埋まるほどの雪でしたが、今朝は始発から通常運行に戻ってます。
お見事、JR北海道。
私の車はフロントスポイラー(社外品の後付け)が
深雪のラッセルと、でこぼこ道のヒットで、とうとう脱落してしまいました。
白い道に取り残されたスポイラーをバックミラーで確認したときの「??」感。
まさか、もしや・・・
車高の低い車はきついですね。
それにしても久しぶりに快晴の朝。
ダイヤモンドダストが見られるかなと期待しましたが、
マイナス13℃くらいじゃ出ませんでしたね。
でも気持ちのいい朝でした。
北海道/旭川市(富良野線)
Nikon D750 TAMRON SP70-200mmf2.8 G2 ×1.4テレコン

(c)Tatsuo Iizuka
ひょっとしたらと思って、スノーシュー履いて汗かいてたどり着いたら
まさに良いポジション。
いいとこ見つけたわ〜。と一人ほくそ笑む。
なるべく「お立ち台」で、みんなと並ん同じような写真を撮りたくないですからね。
仲良く撮れる人数ならまだしも、殺気だった雰囲気の中で撮るのは勘弁です。
これは鉄道写真のみならず、風景写真の絶景ポイントでありがちな光景です。
さて、この日(昨日)のラッセルは、サーッと掻くくらいだったので
雪の具合をみて、また来よう♪
と思ってたら、今日は大荒れの大雪。
昨晩1回、今朝1回、昼間1回の雪かきに腕がパンパンになってしまいました。
我が家にもラッセル車が来て欲しいところです。
そして列車も運休。
果たしてラッセルはダイヤ通りに運行されてるのでしょうか?
見たい、撮りたい。ところですが、
外出もままならないような荒れ模様です。
やれやれ。
北海道/当麻町(石北本線)
Nikon D300 TAMRON SP70-200mmf2.8 G2


(c)Tatsuo Iizuka
今日は良い感じの降雪があって
良い感じに仕事の合間があって
ほんのちょっと抜け出して、ラッセルを撮りに行くことができました。
この石北本線のラッセルは、複線型と言って片側に雪を飛ばす方式です。
それに対して宗谷本線のは、両サイドに雪をかき分ける単線型です。
複線型の方が、豪快に雪を投げ出す感じがありますね。
ただ右側に雪が行くので撮影アングルに気をつける必要があります。
そして、雪が降る中で迫ってくるラッセルは迫力があっていいのですが
雪によってオートフォーカスが迷います。
さらに正面がちに捉えたヘッドライトの明かりにも惑わされ、
肝心なときにピンぼけ・・・なんてことにも泣かされます。
投げ飛ばす雪の量や感じが刻々と変化していくので
置きピンで決める訳にもいかず、なかなか苦労します。
今年、石北本線のラッセルのダイヤがぐっと早まりました。
果たして吉と出るか、凶と出るでしょうか。
北海道/当麻町・愛別町(石北本線)
Nikon D300 TAMRON SP70-200mmf2.8 G2 ×1.4テレコン

(c)Tatsuo Iizuka
今年の撮り鉄はラッセルから始めました。
昨シーズンで引退が噂されていたDE15の排雪車でしたが、今シーズンも石北本線、宗谷本線ともに運行されています。
時刻は変更になってます。
雪を吹き飛ばしながら走るラッセル車。
列車が無事に運行できるように支援する姿は、かっこいいですね。
今シーズンも記録していこうと思います。
あとこの冬は、1月下旬に北陸へ。2月上旬には道東へ。
それぞれ1週間ほど撮り鉄&乗り鉄に行ってきます。
もちろん、近郊のローカル列車の冬景色も。
忙しい1,2月になりそうです。

(c)Tatsuo Iizuka
北海道/比布町(宗谷本線)
Nikon D300 TAMRON SP70-200mmf2.8 G2