
(c)Tatsuo Iizuka
「浦臼駅」
札沼線は浦臼駅より先、終点の新十津川駅までの区間が2016年春より上下1本となってしまった。
新十津川からの折り返し最終列車が朝10時!(日本で一番早い最終列車)に行ってしまうと、
ここ浦臼駅が札沼線の実質的な終着駅となってしまう。
そもそも札沼線は、札幌の郊外「北海道医療大学駅」までは電化され、「学園都市線」と呼ばれている。
この区間は通勤通学圏の重要路線になっていている一方、その先の末端部は非電化区間のローカル路線という
2つの顔を持つ路線だ。
そのローカル部分はJR北海道がバス路線に切り替えたいと申し出ていて、このままでいくと廃線となってしまう可能性が非常に高い。
北海道/浦臼町
Nikon Df AF-S NIKKOR 24-70mm 2.8G ED





(c)Tatsuo Iizuka
札沼線は平坦な水田地帯を行くのどかな路線で、国道275号線と併走するように一両きりのディーゼルカーが走っている。
しかし一カ所だけ、まるできまぐれのように、カーブを切って国道を離れ、林の中を通る区間がある。
その途中に設けられてるのが「豊ヶ岡駅」だ。
まわりに人家は殆どなく、時々乗降するのは「秘境駅」を巡るファンだけじゃないだろうか。
国道から1kmくらいの距離なので、おおげさな秘境ではないのだけど
列車の撮影のために2時間近く居る間、物音ひとつしなかった。
山小屋風の待合室の壁に貼られた資料によると、
昭和30年前後には、山奥にあった炭鉱(月形炭鉱)から石炭を貨車に積み込む施設が、この駅の先にあったという。
ここから札沼線の当時の終点石狩沼田まで行き、留萌線で留萌港まで運び出されてた。
この静かな林にも、かつて石炭の積み込みで賑わう音が終始響き渡っていた時代があったのだ。
積み込み施設のコンクリート基礎跡が、線路沿いに残っているとのこと。
雪が融けたらディーゼルカーの車窓から見てみたい。
北海道/月形町(札沼線)
Nikon Df AF-S NIKKOR 50mm 1.8G

(c)Tatsuo Iizuka
先日のダイヤ改正で新設された特急「大雪」(石北本線 旭川ー網走)。
その先頭にキハ183系のスラントノーズ車が入ると知って、撮りに出かけた。
折しも天気は快晴。
大雪の山がくっきり見渡せるという「大雪」撮るにはうってつけの状況だった。
しかし遠目には並行に思えた道路とレールと山の位置関係が、
いざ列車がやってきたら、画面右側進行方向に逃げて(こちらより離れて)いって
ごらんの通り先頭車両(右側)の顔が見えない。という失敗に。
背景もうるさいですね。
いやなかなか難しい。

スラントノーズ先頭車、特急「オホーツク」(石北本線 札幌ー網走)。
先頭車といいながら片側(後方)にしかついていないので、後ろ姿・・・です。
古参183系の中にあって、特にこのスラントノーズ先頭車両は老朽化が進んでいて
運用にあたることはまれになってきている模様。
国鉄時代からの車両がどんどん減ってきているなか、機会あれば撮っていきたい車両です。
北海道/当麻町(石北本線)
NikonDf TAMRON SP70-200mm F2.8 Di VC (A009)

(c)Tatsuo Iizuka
早く乗りたい気持ちを抑えきれず、雪の無い道を選んでW650の初ライド。
気温はかろうじてプラス。
風が心地良いのは最初の10分くらいで、顔や手や足が凍える−。
30分が限界だった。
楽なポジション。適度な重量。低重心。
7年ぶりくらいのバイクなのに不安無く走り出せた。
低回転からトルクがあって、よどみなく上まで廻りそうなエンジン。
ゆったり走って、そこからアクセル開けると、どんと出て行くような力強さも持ち合わせてそう。
まだそこまでやってないけど。
総じてマイルド。
優しいね。なんか包容力さえ感じるよ。
初心者でもリターンライダーでもベテランでもどうぞ。
チョイ乗りでも、ロングツーリングでもどうぞ。
コーナーでも、荒れた路面でもどうぞ。
跨がって走り出した瞬間にそう思えるバイクなんだなあ。
ルックスも昔ながらのバイク然として、「単車」という言葉が似合う。
そんなW650のファーストインプレッションでした。
良い感触での帰り道、自宅前の雪道でスタック。
向かいの家の犬に吠えられながら、スコップで救出。
早く雪解けにならんかなあ。
北海道/東川町
iPhone6s

(c)Tatsuo Iizuka
夕暮れの駅に下車した人が6,7人。
この沿線では一番多いだろうか。
腰を屈めた老婦人が先頭ですたすたと。
そのあとに学生達が続く。
ほぼ空になった列車はそれでも終着を目指す。
北海道/秩父別町(留萌本線)
NikonDf TAMRON SP70-200mm F2.8 Di VC (A009)
D4譲りのセンサーと画像処理エンジンを積んでるだけあって、
Dfの写りはD4と同様、自然な立体感と精細感がとても好ましい。
フルサイズで1600万画素と控えめだから、1画素あたりの受光面積が広いのが要因だろうか。
チリチリするような嫌な解像感がなく、写った絵にゆとりを感じる。
上の写真はISO3200。RAWデーターでノイズ処理は0で全く問題なし。

(c)Tatsuo Iizuka
縁あってはるばる浜松からきた Kawasaki W650。
ブラックホイールが特徴の2004年製の限定クローム。
自身初のKawasaki車。初の2気筒。約7年ぶりの単車。
3週間かけて北海道まで。ようこそ。
トラックからまだ雪の残る道に下ろされるとすぐに
待ちわびてキーを差し込み緊張の一瞬。
あっけなくセル一発始動。
やったね。
右手のアクセルをひねると、社外マフラーからのキレのいい排気音。
両足の間からは2気筒エンジンの鼓動が半端なく、生きてる感じが全身に伝わっていく。
早く走らせてくれよと言ってようだ。
雪解けが待ち遠しくて堪らない。
そして撮影したカメラはNikon Df。
自分にはオーバースペックなD4の入れ替え機として迎え入れた。
手に納まるサイズ感。優しげなシャッターフィーリングもいい。
とてもしっくりくる。
こいつらと良いつきあいをしていきたい。
楽しむぞー。
北海道/東川町
Nikon Df AF-S NIKKOR 50mmf1.8G



(c)Tatsuo Iizuka
3月4日にダイヤ改正で、石北本線・宗谷本線のラッセル列車のダイヤが変更になったみたいだけど、どうなったのだろう?
DE15のラッセルが今シーズンで引退という噂もあり、この日の撮影ポイントにはカメラがずらりと。(1枚目の有名スポット)
レンタカーが多かったり、バスで移動してる人もいたりするところを見ると全国からファンがやってきているようだ。
大雪掻くシーンを納めることができて満足げな表情を見せる我々に、乗務員が窓を開け手を挙げて応えてくれたのは、予期せぬサービス。
粋な方もいるんだなあ。
雪が減ってきてるし、そもそも定期運行は3月中旬くらいまでのはず。
あと何度この勇姿を見られるか。
北海道/愛別町・上川町
NikonD4 + NIKKOR 300mmf2.8 ED ×1.4テレコン
TAMRON SP70-200mm F2.8 Di VC (A009)
AF-S NIKKOR 24-70mm 2.8G ED
廃止される駅を巡る 五十石駅
2017年03月04日 - 鉄道のある風景



(c)Tatsuo Iizuka
釧路湿原の最北部に位置する五十石(ごじっこく)駅。
2017年3月3日をもって、90年の歴史を閉じた。
塗り替えて間もないきれいな塗装が、抜けるような青空に映えていた。
昨日廃止になった10駅は(JR北海道調べで)一日の利用客が一人以下が対象だった。
五十石駅の近くにある民宿のブログには、2017年春からも高校生が一人通学に使う予定だったとある。
この宿にもJRを利用して来た宿泊客が一年で200名いたそうで、
それなりにこの駅の利用者はあったようにも思われる。
そして駅の廃止が決まって、この宿も廃業を決めたと書かれていた。
駅というのはその地域にとって、核になるような役割も有するように思う。
一方で廃止を免れた駅も存在する。
幌延町にある糠南・南幌延・下沼の駅は、維持管理費を町が負担することで存続されることになった。
町ではこれらの駅を昨今ブームになりつつある「秘境駅」として、観光資源に活用していっている。
「秘境駅ツアー」などもすでに何度か実施しているようだ。
この3駅を維持するのに町が負担した経費は年間160万円。
1駅あたり約50万円。
50万円で駅が存続できるなら、と思うし
50万円のために駅を廃止するのか・・・とも思う。
北海道/標茶町(釧網線)
FUJI X-T2 XF 18-55mm f2.8-4
廃止される駅を巡る 上厚内駅
2017年03月03日 - 鉄道のある風景



(c)Tatsuo Iizuka
「上厚内駅(浦幌町)」
峠を登り切った駅のホームに降り立つと、永きにわたって風雪に耐え忍んできた感じの木造駅舎が出迎えてくれた。
木の扉を抜け、駅前に出て見えるのは、閉じたままの商店と崩れかけた家屋、閉校になってしばらく経った様子の学校のグランドだ。
駅前の集落に残るのはわずかに四戸のみ。
そのうちの一軒を訪ね、老夫婦に上厚内のことを聞いてみた。
ご主人の山本清孝さんは十人兄弟の六番目としてこの家に生まれ、十三人の大家族で育った。
山に入って木を切り出したり、炭焼きをして暮らしを立ててきた。
奥さんのサツ子さんは、山間の牧場から嫁いできたとき、駅があり、汽車が家の前を通るこの集落を、何て便利がいい所だろうと喜んだ。
上厚内には木を切る人、木を貨車に積む人、隧道のある峠の保線をする人、駅舎に詰める人、山のてっぺんにある無線中継所の保守の人。
そんな人たちとその家族が暮らしていた。
今から四十年ほど前、最も賑やかだった頃には六十戸の世帯が、この峠の集落で生活をしていたのだ。
春と秋には神社のお祭りがあり、小学校では祭りに合わせて演芸会が催された。
小学校は昭和五十七年に閉ざされたが、春秋の祭りは今でも四戸が集まり執り行われているという。
今、駅の掃除や除雪は山本さんご夫妻の仕事だ。
大正十五年建築の駅舎の割に清潔感があるのは、そのおかげだろう。
旅人にも風情ある駅として密かに人気があるようで、待合室に置かれたノートには思い出が綴られている。
かつては峠越えの蒸気機関車が悪戦苦闘しながら行き交った峠の駅を、今は特急列車が軽快に行き過ぎていく。
「忘れがたき駅前ふるさと」車内誌 「THE JR Hokkaido」 2006年11月号より
初めて上厚内駅を訪れたのは、2006年。
そのころJR北海道の車内誌に連載を持っていて、北海道中の駅を廻っては近隣の方にお話を聞かせてもらっていた時だ。
こんな木造の駅舎がよく残ってるなあと驚いた。
別棟の便所棟まである。
釧路に向かう国道の脇に有り、以来何度か訪れたのは
これら貴重な建物はきれいに保たれ、しっかり人の手が行き届いているのを感じ、ほっとするからだ。
住民の方が馴染みのある駅舎を大事にするという愛情が、そこにはあるように思えた。
ご主人は亡くなり、サツ子さんが一人で清掃を続けてきたと聞いた。
信号場から駅になって91年の歴史は、今日幕を下ろす。
北海道/浦幌町 (根室本線)
NikonD4 AF-S NIKKOR 24-70mm 2.8G ED
廃止になる駅を巡る 島ノ下駅
2017年03月02日 - 鉄道のある風景







(c)Tatsuo Iizuka
3月4日にJR北海道のダイヤ改正があり、
昨年の春に続き、今年も10駅が利用客が少ないことを理由に廃止となる。
根室本線島ノ下駅はそのひとつ。
富良野駅の隣に位置する。
富良野市内にありながら、辺境地の趣の中にある。
上下線のホームは互いに千鳥状に離れて立っている。
そのためかなりの長大編成列車も交換可能なのは、いにしえの重要幹線だった根室本線のなごりだろう。
ホームに立つと、木々の間から線路に並行する大きな空知川の流れが見える。
反対側は山。
周辺には小さな集落があるものの
国道からも近く、そのせいで駅を利用する住民は少ない模様。
3月3日で102年の歴史を閉じる。
北海道/富良野市(根室本線)
NikonD4 TAMRON SP70-200mm F2.8 Di VC (A009) AF-S NIKKOR 24-70mm 2.8G ED