
昨日は札幌は北海道神宮近くの美術館で行われた、森山大道写真展&ご本人のギャラリートークに出かけた。予想通りの混雑で、部屋に入り切れなくて別室でモニター鑑賞の方が半分以上。ボクらは何とか滑り込みセーフだった。
予想外だったのが、森山さんの生写真と、ご本人のお人柄。
ミーハー気分で出かけたのに、バライタにしっかりと焼き付けられた写真群の一枚一枚に、すっかり引き込まれた。印刷物で見て来た森山さんの写真は、ざらざらと乾いて突き放したような印象が強く、見ていて心地よいものではなかった。
それなのに、生のプリントは包み込むような優しさがあったのだった。相当の数の写真枚数、それも30年くらいかけて撮られたものなのに、全ての写真に一貫した優しいまなざしが感じられて、一切のブレがない。流石としか言いようがない。説得力がまるで違う。
トークショーの後半の質問コーナーでは、ひとりひとりの質問に丁寧に答えられていたこと、終了後のサイン会も一文字づつしっかりと書かれていたことも、人柄を象徴していた。
いろんな話をして下さったなかで、最も印象的だったのは、「量を撮る」という言葉。量のない質は絶対にあり得ない。量が質を支える。量を撮ることで見えてくる、分かってくる。さらに分からなくなることもある。その循環が大事なのだと。
良い言葉を頂いたと身にしみた。
会場では知り合いのカメラマンにもたくさん会えた。終了後は皆一様に満足気な表情をしているように映った。写真をやっている誇りのようなものを感じたのかも知れないなと思う。
雨上がりの帰り道が、とても清々しく感じられた。

女二人の姉妹だから、ずっとずっと老いるまで仲良くいてくれることを願っている。
久しぶりに白黒フィルムを現像した。借りている暗室記録によると前回は2月6日だった。これじゃいかんなと、仕上がったネガをみて思う。写真の原点、光と影。それをおろそかにしてやいないかと。
遅ればせながら、暗室の年会費を納める。15.000円也。この恵まれた環境にも慣れてしまっている自分がいる。
写真の町東川町には貸し暗室があります。常時暗室会員を募集しています。一年間15.000円でいつでも好きなだけこもることができます。伸ばし機はフォコマートを始め、オメガなど7台くらい。サイズも4×5まで、それからカラーヘッド、CP31の自現機もあり、自由に使う事ができます。
現状会員が少なく、経費を賄い切れないでいますので、お近くの方、会員になってくださると助かります。

撮影現場で一番汗をかいていたのが、カメラアシスタントの計良くん。たびたび、師匠の上野さんから怒られてはいたけれど、彼の動きは機敏だった。
たすき掛けにしたロープロのカメラバックには、いくつものフィルムバックと交換レンズ、ゼラチンフィルターに露出計。彼のハッセルのフィルムチェンジの早いこと!
腰には各種テープ類がぶら下げられ、ウエストバックには虫さされのキンカンや、師匠がひざまずいて構える際のタオルまで携えている。
モデルの顔の向きが変わる度に、即座に露出計のメーターも読まなければならない。「5.6半です!」「8コンマ2です!」。そして「ラストです!」とフィルムの残り1枚になると声を上げる。すなわち、いろんな作業しながらも師匠の打った数をカウントしているのだ。
彼の仕事は師匠の動きを先読みすること。それが合わないと撮影のリズムが崩れる。
修行僧のような面持ちで、俊敏な動き。つねに姿勢は前のめりのつま先立ち。レシーブを受けようとするバレーボール選手のようだ。撮影中、ボクは彼のアシストぶりから目が離せないでいた。
休憩の時話しかけてみた。アシスタントになって7年。今度ファッション雑誌に小さいながらも自分の撮った写真が掲載されることになったんですよと、嬉しそうな笑顔で話してくれた。
久しぶりに見るストイックな若者の姿に、清々しい気持ちになった。

2日間、一流のプロの仕事人とご一緒できる機会に恵まれた。
タレントさんのグラビアとカレンダーの撮影で、美瑛のロケーション撮影のコーディネートをして欲しい。そんな一本の電話がきっかけだった。
上野勇さんというプロカメラマンからの依頼だった。
リクエストを元に、撮影場所や、撮影許可の段取りをさせていただき、本番前日に美瑛で上野さんと合流、初めての顔合わせ。そしてロケハンと撮影本番の時間を共有させていただいた。
上野さんは気配りの人だった。こんなボクにへも、気を配っていただいた。それらは全てさりげなく、何気なく出てくるものなのだ。仕事を気持ちよく進めるために、いいものを作るために、スタッフ全員に気配りを、思いやりの気持ちを忘れない。
廻りのスタッフも皆、その気持ちに応えようと、また他人を思いやる。率先して雑務もこなしていく。我先にレフ板を持ちたがる。ライトカッターを持ちたがる。そんな撮影現場だった。そして笑いの絶えない撮影現場だった。
一流のプロとはこういうものなのだ。また出来る事なら一緒に仕事をさせていただきたい。
自分もそう言われるようになりたいと思う。

「EOS 1D Mark3の調子はどう?」最近良く聞かれます。答えは「すこぶる快調です。」
撮影後のプレビュー表示に時間が掛かるのが、唯一にして最大の難点です(これウチのだけ?)が、あとは何も言う事無しのフィーリングです。全くのストレス無しで撮影し続けていくことができます。
絵もAPS-C機に比べてワンランク上の上質感があります。クリアな感じがするのは、ローパスフィルターの性能(材質?)が普及機とは違うからなのでしょうか?もやもやした感じがしません。
ただ撮影の難易度は倍くらい違うでしょうか。APS-H機になって、被写界深度は浅いし、ブレには容赦ないし、レンズの悪さも露呈するし。気軽にポンポンとは行かないようです。
描写の甘いレンズは許容してくれないようで、またいくつかのレンズを手放し、EF24-105mmf4Lを手に入れました。
開放でのピントが合った所のシャープさと、アウトフォーカス部分の滑らかさはなかなか良いようです。気になっていた(キャノンの安ズーム特有の汚い)周辺光量落ちというか四隅がグレーに写る症状も、APS-Hで周辺を使わないせいか、出現しません。使い勝手の良い焦点域なので、ほぼつけっぱなしで活躍してくれそうです。
フルサイズ機も魅力的ですが、APS-H機はバランスのとれた機種と言えそうです。EOS-1D Mark3に現状は大満足しています。

RICOH CAPLIO GX100 望遠側もいい感じ。
今年の夏至は6月22日だそうです。一年で一番日の長い日です。
その日の旭川の日の出は3:48分。日の入りは19:16分で太陽がでている時間は15時間28分。
日本の子午線近くの神戸の日の出は4:46分。日の入りは19:15分で14時間29分。
神戸と比べると実に1時間も、夏至の日の北海道の日は長いのです。
(まぁ寝てるから関係ないんですけどネ)
ちなみに冬至の頃は、旭川の昼の時間は8時間56分。神戸が9時間51分と、逆転して旭川の方が約1時間昼の時間が短いのです。
何故こういうことになるかと言うと、地球儀で見ると(?)北海道がより北にあるからで、地軸が傾いている影響を受けている。ってことなんでしょうね。北極圏の沈まない太陽、白夜のプチ版と考えると分かりやすいか。
首都圏、関西も梅雨入りでしょうか?北海道には梅雨がないと言われています。
ここ数日快晴。そして気温は25~6℃あたりか。日なたはカラッと。風は涼しく、とても気持ちのよい季節を迎えております。
ムッとした方がいらしたらごめんなさい。いや、余りにも気持ちがいいもんで・・・。

東川町では新しく生まれた子供、新生児に対し、木工クラフトが盛んな町ということもあって、オリジナルの椅子をプレゼントしている。
その椅子は「君の椅子」と名付けられ、椅子の裏側に子供の名前とともに刻印が打たれている。
去年生まれた次女は東川産だから、この椅子をプレゼントしていただけた。その時のエントリーはhttp://photoseason.blog25.fc2.com/blog-entry-351.htmlです。
この企画は「君の椅子」プロジェクトが企画し、それに東川町が賛同し、具体的な取り組みが実現した。詳細はhttp://www.kiminoisu.com/をご覧頂きたい。
さてこの度、6月24日に全国植樹祭が北海道の苫小牧で行われる。
木を使った取り組みとして「君の椅子」が展示・披露されることになった。現物とともに写真のパネルを展示したいということで、「君の椅子」プロジェクトからボクのところに写真を撮って欲しいという依頼がやってきた。実際に贈呈を受けたカメラマンがいるなら、その者に撮って欲しいということだ。
そしてこの植樹祭には天皇皇后両陛下もご出席され、「君の椅子」も天覧に供することとなった。つまりは「君の椅子」の写真も両陛下にご覧いただくということだ。
という説明を事前に受けた。実際はどうなるのか、ボクには確認のしようもないけれど、とても光栄なことだと感じながら写真を撮らせていただいた。
(上の写真は2007年モデル。この写真が使われるかは分からない)
東川町フォトフェスタ
2007年06月16日 - 東川

ボクの住む北海道の東川町は「写真の町」宣言をしています。そして7月には写真のお祭り、フォトフェスタが開かれます。フォトフェスタの詳細はhttp://town.higashikawa.hokkaido.jp/phototown/photofesta.htmをご覧下さい。
期間中の主なイベントは7月28(土)、29(日)に行われます。
イベントの中で写真を撮る人が出展、参加、披露できるのは「ストリートギャラリー」「ふぉとまーけっと」「インディペンデンス展」「ポートフォリオレビュー」などがあります。
ただ飾るだけでなく、コンテスト形式になっているものもあります。カメラメーカーの方、写真雑誌の編集者、写真評論家、それからプロの写真家も多数会場に来られます。
いろんな方に写真を見てもらうチャンスがあるのです。
プロ写真家では今年は野町和嘉さん、佐藤時啓さん、土田ヒロミさん、大西みつぐさんが審査する側として来られます。
そして渡部さとるさんもプライベートで来られることになりました。ただ見るだけじゃ面白くないので、イベントに参加してもらおうと企んでいます。7月に発売になる写真集、本、オリジナルプリントの販売もあるかも知れません。そしてストリートギャラリーでのミニミニ写真展なんか期待しています。只今
と言うことで面白くなりそうな今年の東川フォトフェスタ。ぜひ皆さんも参加、出展してください。
とは言え、ボクは主催者でもなんでもなく、その町の一人の住人でしか過ぎません。「ストリートギャラリー」「ふぉとまーけっと」などを企画している「北海道写真月間」から届いた詳細をご覧下さい。
追記:尾仲浩二さんも来られるようです。

晴天に恵まれた昨日、ボクらの住む地域の運動会が催された。
「親子と地域でつくる大運動会」とあるのは、何しろ小学校の子供達が少ないから。児童数17名の小さな小学校だから、地域のじいちゃん、ばあちゃん、親戚一同まで集まっての運動会なのだ。
小学校の紅白対抗の運動会であると同時に、校区に属する31~35区の集落対抗の運動会でもある。
大人たちもたくさんの種目をこなす。最初は「けがをしないように楽しくやりましょう」なんてボクら35区の集落長は言ってた。みんな「うんうん」と頷いていたはずなのに、競技が始まると真剣そのもの、白熱しまくり。よその集落に負けたくないって。
ボクなんて人生初めてリレーの選手に選ばれて、バトンを受けて全速疾走しましたよ。100メートルも。
運動会が終わった頃には完全グロッキー状態でしたが、みんなの奮闘の甲斐あって、我が35区は見事総合優勝を勝ち取りました!これは凄い。アンビリーバブル!
だってウチらの集落は普段寄り合いに来るのは年寄りばっかりですよ。
若くて50歳。40歳代もいないし、30歳代は我々夫婦だけ。
ところが運動会になると、普段顔を合わすこともない、もしくは離れて暮らす10代、20代の子供達、果ては娘さんの彼氏までが助っ人に現れて活躍してくれたのです。あとおばさんたちのチームワークの良さ。何と言う団結力でしょう。
35区は東川でも一番端の集落。町から一番離れた奥に位置するところ。だから人の多い、町に近いよその集落に勝てたことは感無量の思いです。
そのあと集落会館での祝勝会はたいそう盛り上がりました。
田舎の地域活動も面倒に思うこともあるけれど、参加してみれば意外に楽しいことも多い。
それからあれだけ人見知りがひどかった長女が、競技中、地域のばあちゃんと手をつないで遊んでくれたことが嬉しかった。そして集合写真を見たら、じいちゃんの膝の上に乗って笑っているではないか。まさに快挙。
こうして子供が地域に育てられるなら、親にとって実にありがたいことだと思った。

昨日の続き。今度は白黒モードで撮影し、レタッチしたものを。
いい感じのトーンが出ています。
ただモニターで見る分には気づきませんでしたが、A4にプリントしてみるとノイズが気になります。レタッチもほどほどに、ですね・・・(汗)。
もともとISO80でもシャドー部に微細なノイズが見られるのは、1000万画素の弊害でしょうか?(目くじらたてるほどのものではありませんが)
GX100はRAWでの撮影書き込みがGRデジタルに比べて断然早いようなので、RAWで撮っておくという手もとれますね。ただ、RAWだと1:1のスクエアが選ばない。当然と言えば当然ですが、せめて液晶ファインダー上でスクエアのマスクが出てくれば撮りやすいのに・・・。
引き続きいろんなシーンを撮って検証してみたいと思います。

RICOH CAPLIO GX100 jpeg撮影データをレタッチ
昨日は雨でしたけど、ここのところ暑い日が続いている北海道です。セミの声があちこちで響いています。エゾハルセミと言う北海道のセミはこの時季に鳴くのです。
ひと雨欲しい、こんな空気感をGX100は見事に捉えてくれました。
GRデジタルでも得意な感じの光景でしたが、GX100はさらに上を行く描写力のような気がします。
トーンがリッチですね。だからレタッチしても破綻しない。そして堅くしてもどこか柔らかさを内包している気がします。
GRデジタルはギリギリな感じでした。これ以上どうしようもないような危うさです。バイクのエンジンで言うとピーキーな感じです。だから撮りっぱなしで勝負みたいな緊張感があります。
GX100は撮影後のレタッチの自由度が残されている気がします。これはボクにとっては大歓迎なのです。現場ではあれこれ考える暇などあるわけないです。見たまま感じたままを連れ去って、「狙い通り」の絵をレタッチで仕上げるのがいいと思っています。
ただレタッチには限界があるので、最終的に良い絵になるようなカメラの設定は大事です。露出ももちろん重要です。レタッチ=失敗補正ではないし、嘘を作り上げるというのともちょっと違います。
GX100のベストの設定はあれこれ撮りながら探っていってる所です。GRデジタルとは別物と考えた方が良さそうな気がしますね。

RICOH CAPLIO GX100 jpeg画像をlightroom現像
リコーキャプリオGX100、遅ればせながらphotoseason's blog初見参。
GRデジタルに比べて、描写が柔らかい印象。絞れば当然しっかりとして来るはず。だから一粒で二度おいしいカメラ?
中間調のトーンが奇麗で、人肌のカラーの色味がとても好ましい。その辺もGR-Dに比べて大きなアドバンテージ。ユーザーターゲットの違いなのかも知れない。人物撮るに良さそうですよ。うん、楽しみ。家族のスナップはこのカメラでいけそう。
中間調のトーンのつながりがいいから、白黒もいい感じです。
只今機材リストラ(再構築)実施中。
娘二人が賑やかになってきたこの頃、一層影の薄くなったノエル。昼寝姿にも哀愁を感じる。

EOS-1DMark3 EF17-40mmf4 ISO3200 jpegをlightroom現像(カメラ側の高感度ノイズ軽減ON、ソフト上の軽減はなし)
長女はとても頑固者(嫁に似たのだろう)。手を焼かされている。時々見せる意思の強さを上手く活かしてやりたいと親としては思う。
さて、1DMark3の高ISO感度時のノイズについて。
昨日ボクのメインの仕事であるブライダルスナップの撮影で1DMark3を実践投入してきた。暗い会場だったので、早速ISO3200を試してみる。
結果なかなかの好印象を得た。ノイズはシャドー部に出るものの、べたっと塗りつぶしたような感じにはならず、無理矢理3200で撮りましたという感じは全くしない。A4に伸ばすとさすがにバレるだろうが、自分の使用目的、サイズでは問題無し。
実は3200から感度を戻し忘れて、通常ではISO400で撮るであろうシーンも3200で撮ってしまった。それでも人肌の描写は滑らかで、画面全体のコントラストがとにかく秀逸。シャドー部を拡大しなければ気づかないはず。むしろ開放から2段くらい絞れたので、とてもシャープな仕上がりに。
その画像をアップすれば良く分かるだろうが、高感度ノイズの実例に他人様の写真を上げるのはさすがに気が引けるのでご容赦を。
上の娘の写真では光も回らない暗い階段だったので、拡大しなくともシャドー部のノイズは見える。AFでもMFでもピント合わせに苦労する場面だったが、それでも写真が撮れる(鑑賞に堪えうる)というのは、デジカメならでは。
とにかくいつも行くのは暗い会場ばかりのブライダル撮影で、ISO3200は積極的に使っていける。そういう判断を下した。

EF50mm1.4 Jpeg画像をLightroom現像
数日前のエントリーと似た感じの写真ですが、いい雰囲気に撮れましたのでご披露。(親バカ)
PX-5500とキャノンの絹目調の写真用紙にプリントアウトしてみましたが、しっとりとして好みの仕上がりになりました。何か印画紙に焼くよりいいような気さえして、ちょいと複雑な気分になったりして。
1DMark3は撮影素子がAPS-Cよりも大きいAPS-Hサイズを積んでいるため、諧調が豊かなような印象を受けます。この辺はいろんなシーンを撮りを撮って行く中ではっきりしてくるでしょう。
1DMark3に搭載されていたマイクロアジャストメント機能で、このEF50mmf1.4とTAMRONの28-75mmf2.8のピントを調整する。両方とも前ピン傾向だった。それでAF合焦位置を後ろに持って行く。1DMark3にはレンズ一本ごとのAF合焦位置をボディー側で調整出来る凄い機能がついている。
調整した結果、ジャスピンになった。最近買ったばかりのEF17-40mmf4Lはさすがに調整不要だったが、レンズによって出荷時の許容範囲があるので、自分で調整出来るのは有益な機能だと思う。
これでピンぼけでドキッとする確率が減ってくれれば何より嬉しい。