
(c)Tatsuo Iizuka
良く晴れた冬の午後、予定していた撮影がキャンセルになった。
子供をスキーに誘うも、買い物に行くからと断られる。
冬の太陽はすでに傾き始めたが
こんな晴れ渡った日に、事務所で仕事するのももったいなく
山にスノーシュー遊びに出かけることにした。
その道中に見事なダイヤモンドダストに出くわした。
光っているのは雪ではなく、空気中の水蒸気が凍って漂ったもの。
このときは漂うというより、舞っているという表現がふさわしいくらいの激しさだった。
マイナス15℃くらいの冷え込みと湿り気があって、無風で、太陽の角度と暗い背景。
いくつかの条件が揃って、ダイヤモンドダストは出現する。
それを偶然と言ってしまえば寂しいし、狙って撮ると言えば自然に対しておこがましい。
だから呼ばれた。と思うようにしている。
いつもそう。
自然現象だけで無く、町角のスナップでも
カメラを持つ自分の目の前に現れるささやかなドラマは
偶然なのか、必然なのか。
「お前さんが撮れ」と
どこか撮らされた、撮らせてくれたとこの頃は思うようにしている。
北海道/上富良野町
SONY α900 + LEITZ TELYT-R 250mm f4 マウント改造
光の粒は望遠レンズのボケと圧縮効果によるもの。
実際には1mmにも満たないような小さな粒です。