海外空港におけるX線の回避法
2013年03月09日 - イスタンブール

前にエントリーした、外国の空港でX線検査からフィルムを守り方について、JPS日本写真家協会で検証した最も効果的だと思われる方法をお知らせいただきたので、以下に引用します。
透明なビニール袋にフィルムを入れて、パトローネや外紙に3200と書くか、シールを張る。
そして、ビニール袋にマジックで、
「This is a film that was filmed in iso3200 sensitizing Don't X‐ray.」
と書きます。
自分が通る時に監察官に渡すと、「a.ha」とか言いますが、ヨーロッパ、アメリカ、中東、アフリカ、南米、アジア各国で大丈夫でした。
X線防止の鉛ケースは一番危険です。監視官がモニターで見ながら強さを調整できるので、見え難いとドンドン強く当てられてしまいます。
また、要人が乗り合わせたりすると、通常より強いX線が当てられることがあります。
通常では、iso800までは大丈夫ですが、諸条件でiso100のシートフィルムがカブった事例もありました。
9.11以降、セキュリティーが強化されていますのでご注意ください。
とのことです。教えていただいた安藤さま、ありがとうございました。

(c)Tatsuo Iizuka
只今、フィルムの静止現像に初トライ中。
静止現像っていうのは、1:100とかに薄〜く希釈した現像液を使って、液の注入から1時間とか一切撹拌せず放っておく現像方法です。
そのメリットは撹拌しないことで、ハイライト部分に触れている現像液がへたり現像が進まない一方で、シャドー部に触れている現像液はへたりが少なく、ゆっくり現像を進行させていくので、ハイライトからシャドーまできれいに納まるということ。
それから鮮鋭度が上がるということなど。
この辺、興味のある方はググってみてね。
で、ものぐさな私のメリットとしては現像タンクを撹拌しないでいいということ。
しかも1時間放置プレーできる!ということ。
なので、その間仕事をしたり(嘘)、こうしてブログ書いたりできます。
仮に現像途中に電話が鳴っても、宅配便が来ても対応できます。
そして1時間の現像が5分や10分伸びても結果は変わらないでしょう。
本当は現像液の現像能力目一杯使い切るのくらいに薄い希釈率が正しいようなので、1時間が2時間になろうと3時間になろうと結果は変わらないようです。
さて、結果はいかに。
写真はイスタンブールの裏道。日没後、街灯に浮かぶ洗濯物たち。
どこに行っても洗濯物を撮ってしまう。
ローライフレックス3.5F
ノーマルの現像です。

(c)Tatsuo Iizuka
イスタンブールで撮ったのは12枚撮りのフィルムで10本。
これが多いのか少ないのか、そして大した手応えはなかったんだけど、念願叶った訳だし、駄作とて二度と撮れない写真であることには間違いない。
そんな大事なフィルムだからX線かぶりしないよう、帰りの空港のX線審査でもフィルムのハンドチェックをお願いした。行きの成田では問題なく通過できた。
ところが「感度400じゃかぶらない」と現地の係員が言う。だから「X線検査を通さないとダメだ」と。
「これは私の大切なフィルムだ」「写真を撮るためにトルコまで来たんだ」「だからハンドチェックでやってくれ」
などと、知りうる限りの英語を並び立ててX線検査機を通さないよう懇願した。
検察官の答えは毎度「ノープロブレム」
知り合いのカメラマンが400の白黒フィルムでかぶったのを知っていたので、ここはどうしても通したくない。
「No,Handcheck please」こっちも譲れない。
検査官は「通さないなら空港から出て行け」とまで言いだし、警官がやってきた。
最後はローライフレックスをカバンから出し、「これで撮ったんだ」と、ファインダーフードを起こして上からのぞき込む仕草をやってみせた。
そしてその警官にローライを手渡した。「見てみろよ」
「ハンドチェックしてくれ」「please」
結局あきれ顔で「通れ」と一言。
こうしてフィルム達はX線を浴びること無く、私と一緒に無事出国できた。
ちなみにX線感光防止の袋は薄い鉛しか入っていないので、X線検査で「おや?」となれば、中身が見えるまで強く当てられる危険性が高いという。だからそれに頼らないできた。
海外でフィルム撮影をしている方々はどうして対処しているんだろう?
とにかく私は懲りた。
ローライフレックス3.5F トライX

(c) TatsuoIizuka
知らない町に出かけて、適当にほっつき歩くのが好きだ。
思いつくまま右に曲がったり、左に折れてわざと路地に入り込んだり。
地図が無くても絶対に出発点に戻れる自信がある。
鼻が利くとでもいうのか。
たとえ夜でも方向を見失わない自信がある。
だから、言葉も通じない国に行って、同じように路地裏をほっつき歩いてみたかった。
日が暮れた石畳の道なんかを迷子になるんじゃないかとドキドキしながら。
とは言え全く知らない外国じゃさすがに不安(やっぱり小心者)なので、成田でポケットwifiをレンタルし、iPhoneのマップを開けるようにはしておいた。
2日目の晩、撮り歩いてホテルに戻ろうとして、近くに来ているはずなんだけど、似たような建物が林立していて分からなくなった。
足もすでに棒のようになっていた。
頼みの綱のiPhoneを取り出してみたものの、GPSがうまく追随してくれていない。
300m先にホテルを見つけたときはホッとした。
結局iPhoneのマップを開いたのはそのときだけだった。
やっぱり頼れるのは自分の鼻だ。