The Body

body.jpg

何も言うまい。
06:03 | 白黒写真 | comment (-) | trackback (-) | page top↑

写真の艶

FBプリント

今日念願のドライマウントプレス機を手に入れることができた。
以前このブログで、眠ってるドライマウントプレス機があれば譲ってくださいと記事を書いた。それを見た方から連絡を頂き、格安で譲っていただくことができたのだ。
ドライマウントプレス機というのは、主にバライタ印画紙を平滑に乾燥仕上げするための装置だ。レジンコートされたRCペーパーと違い、バライタ印画紙はFB(ファイバーベース)ペーパー。紙そのものが印画紙になっているため、水を吸うと伸び、乾燥の段階でヨレヨレに波打ってしまうのが難点だ。手軽な処理で済むRCペーパーに比べて、扱いには手が掛かるが、しかし、白から黒へのトーンの再現性に優れ、深み、重厚感はバライタしか味わえないすばらしさがある。
遠路山梨から届いたのは米SEAL社のCOMERCIAL200という型番で、40年も昔の製品だ。買ったものの、殆ど使われていなかったとのこと。おそるおそるスイッチを入れるとランプが点灯し、熱が入った。
熱が上がった頃、手持ちのバライタプリントをプレスしてみる。
わずか1分ほどでゆるやかなアールを描くものの、平滑な紙になった。
おおっと思わず声が出る。
なにしろこれまで、数日間も重しをして伸ばしたり、ズボンプレッサーで伸ばしたりしていたのだけど、それよりもピンと、気持ちよく伸びあがったのだ。
そして黒の中に艶を得た。光沢ではない、艶である。
写真ギャラリーで見るあの憧れの艶。それを手に入れたのだ。
これが写真。写真そのものが持つ存在感だと思う。
これで存分にバライタプリントを堪能することができる。
今や時代遅れの白黒写真。ローライフレックスやライカ。40年も50年も昔のカメラで撮って、自分でせっせと現像し、40年前のドライマウントプレスでバライタプリントを仕上げる。
どこかロマンがありそうな気がしませんか。写真にはそういう部分も必要なのです。
3月26日からの北海道美唄展「モノクロームの刻(とき)」では、バライタプリントをご披露致します。3年ぶりの白黒バライタプリントの展示になります。木造校舎の教室がギャラリーです。



19:27 | 白黒写真 | comment (-) | trackback (-) | page top↑

白黒写真考

積丹の撮影行の白黒フィルムを現像しに「東川ダークルーム」へ。ところが冷え込む日が何日かあったため、水道が凍結している。水落としをしているのだけど、抜けきらない水が凍ってしまうのだ。さらに、作り置きしている停止液やドライウェルなども完全に氷になっていた。屋外に置いてる訳じゃない。これは当然室内での話だ。
水道管をドライヤーで暖め、ストーブを点けたままにしておいて、しばらく時間つぶしのために東川文化ギャラリーの展示を見に行く。

東川賞の収蔵作品の一部の展示をやっていた。
そこで思いがけず見た、白黒写真の圧倒的な力。
杉本博、繰上和美、田原桂一、石内都、尾仲浩二。それぞれがそれぞれのグレーと黒で描き出した作品たち。数枚ずつの展示ながらも、ぐっと写真の中の世界へ引き込む力を持っていた。
バックヤードでは次回予定されているPART2の額装作業中だった。佐藤時啓の緻密なプリントをブックマットの状態で拝見。さらには、特別に収蔵庫にも入れてもらうことが出来た。歴代東川賞受賞者の名前が書き込まれたストレージボックスが棚に整然と並べられている。須田一政、奈良原一高、古屋誠一、荒木経惟の名前も見える。テプラで打たれた無表情のプレートなのに、名前を見ただけでドキドキする。これらが温度、湿度ともに最適に保たれた部屋に、無酸性のブックマットやストレージボックスに収められて長期保存されるのだ。その中のひとつ、金村修の箱を取り出して開けてもらった。そこには全紙サイズのプリントが、ブックマットもせずに重ねられていた。展示の際のピン留めの跡の穴。端のほうのカーリング。全く生々しい限りだ。金村修の息づかいが聞こえてきそうなプリントだった。

東川賞の歴代受賞者はこちらを。東川賞の受賞式に合わせて、毎年7月最後の土日に東川フォトフェスタが開催されている。しかし、総じて町民の関心は薄い。町のお金をふんだんに使って、一体誰の何のお役に立ってるのか分からないと冷ややかに見る向きも多いのが実情だ。そう言われるのも分かる気がする。机上で考えられたイベントのためのイベントではなく、本当に写真好きが集まる場所にしたいと思う。去年までは参加する側だったけど、今年くらいからは徐々に主催側に回っていくことになるだろう。もしそうなったとき、力を借りたい写真家の方が数名いる。これを読んでくれているか分からないけど、ドキッとしていて欲しい。

そんなことを考えながら、暖まって水道の出るようになった東川ダークルームで、5本、3クールの現像を行う。今日は増感あり、使い慣れないフィルムありで、3回に分けての現像となった。いつまで経っても、これで決まりというフィルム、現像液、処方が見いだせないでいる。今さっき見た白黒との差は一体なんなのだろう・・・と現像タンクを見つめる。

乾燥を待っている間に東京の写真仲間から電話が入る。個展開催に向けて、毎日撮り歩き、多いときは一日15本も撮ってるのだと言う。現像が追いつかないため、3本用のタンクを3つ買って、時間差で現像するのだそうだ。ああ愕然。そりゃ仕事どころじゃないだろう。
それで乾燥の際の埃の付着と、カーリングに悩まされてるという話に。これはドライウェルの濃度と、乾燥させる場所の温度、それから湿度に影響するだろうと答えた。そう言いながらも自分のネガにも埃はつく。せっかくのコマがパーってこともある。
デジカメにも埃問題はつきものだけど、全くもって写真ってやつは面倒でやっかいなもんだなあとつくづく思う。その無駄にしてしまったエネルギーを他につぎ込んでやれれば、人生効率よく生きていけるのに。
「かんたん、べんり、かっこいい」そんな言葉とは無縁の世界。綺麗に撮れたって喜んでいられるうちが華か。もしくは新しいデジカメ追いかけてる方がマシ。
22:05 | 白黒写真 | comment (-) | trackback (-) | page top↑

暗室体験ワークショップその1

暗室

今日は東川でやる暗室体験ワークショップ1回目でした。
アイスバーンの道を札幌からわざわざ来てくれたのは、北大の大学院生たち5名でした。
事前に「きれいな光をみつけてくること」という課題を与えて、白黒フィルムを撮影してきてもらい、フィルム現像、そしてプリントを自分の手で体験してもらいました。
5人いっぺんに教えるのはちょっとしんどい所もありましたが、夢中になってちゃぷちゃぷやってる姿や、焼き上げて嬉しそうな表情を見ると、こちらも満たされた気持ちになります。
号数や秒数を変えて焼くことで、自分のベストの一枚を作り上げていく暗室の楽しさ。光と影を意識して撮影する白黒写真の楽しさを知ってもらえたようで、何よりでした。
明日は第2回目。1月に第3回目が決まっておりますが、それ以降は空白です。仕事が暇な冬の間のみの実施となりますので、ご希望の方はお問い合わせください。
21:02 | 白黒写真 | comment (-) | trackback (-) | page top↑

ベタ

20071201095643.jpg

面倒くさいという理由で、撮ったフィルムのベタ焼きをとらない人なんですが、透明のネガファイルごとスキャナーにのせてスキャンしてみました。結構お気軽で、楽しめるものです。ネガだけでチェックしてるときには見逃しているであろうコマにも、面白いものがあるのに気づくかもしれません。たとえば眼つぶりや、被写体ブレ。そういうコマにこそ、写真の面白さが潜んでいるのかも。

白黒の面白さの中に、ネガ作りというのは大きなウエイトを占めると思います。どれだけの光の強弱をネガに納めてやれるか。それが上手く行くと、のちのプリント作業も至って楽になり、良い写真が生まれるのですから。
ボクはプリント時にはあまり手を加えません。だから焼きは外注してもいいくらいです。(もちろんしませんが)だけどフィルム現像はラボに外注はできません。自分なりの現像液、現像時間、温度、撹拌方法でやらないと上手く上がらないと思うからです。逆に言うと、自分の現像にあった現場の光を見つけられるのです。この光、出せるな、と。
どれだけ光のコントラストを制御できるかが白黒写真の醍醐味だと思います。

と書くと、ハードル高そうに思われるかも知れませんが、まずは指定の方法にのっとって現像すればいとも簡単にネガは出来上がるものです。簡単な割に、自分で撮ったフィルムを自分で現像しネガという像にのせることの喜びや楽しみはとても面白いものです。ネガ現像だけなら暗室は不要ですし、そのあとスキャンしてインクジェットプリンターで焼くという方法も選べます。その方法でもデジタルの白黒変換とは違った味わいを十分楽しめるものと思いますよ。

東川町の暗室を使って、白黒現像〜焼き付けの一日体験ワークショップを予定しています。興味ある方はお問い合わせください。また年間15000円で時間無制限の暗室会員も募集中です。

10:25 | 白黒写真 | comment (-) | trackback (-) | page top↑